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PMP合格までの道のり

PMP合格までの道のり

今年PMPの更新があるのですが、3年前に初めて合格するまでを、せっかくなので振り返ってみたいと思います。

PMPとは

PMPとは Project Management Professional の略で、アメリカの非営利団体プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute、PMI)が主催しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格となります。資格の保有者数は、世界だと約150万人、日本だと約5万人が保有しています。

PMIには日本支部もあり、そちらには以下のように記載されています。

PMP® とは、PMI 本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格です。 PMP® 試験は、受験者のプロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識を測り、プロフェッショナルとしての確認を目的として実施されます。 専門知識を有していることを証明するために、米国PMI本部が資格認定を行うものであり、法的な資格、免許ではありません。 PMP® 資格は、プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして広く認知されており、プロジェクトマネジメント・スキルの評価基準として、IT・建設をはじめとする多くの業界から注目されています。

PMI日本支部 - PMP®資格について

PMIは、PMBOK (A Guide to the Project Management Body of Knowledge) というプロジェクトマネジメントの知識体系ガイドを発行しており、これにはPMIが定めるプロジェクトマネジメントの原理原則が書かれています。PMPの試験は、PMBOKをベースに出題されます。実際の出題範囲は、ECO(Exam Content Outline)に規定されています。

PMP試験の概要 - PMI公式サイト(英語)

合格すると、ロゴを名刺に載せたり、電子バッジもあるので、公的に認証されLinkedInなどのSNSでPMPホルダーであることを広くアピールすることができます。ただし有効期限があり、合格してから3年間有効です。3年ごとに更新料を払うと、もう3年更新されます。また、更新するためにはPDUというポイントをためる必要があり、所定の研修を受けたり、自己研鑽(読書など)をしたりして合計60PDUをためないと更新できません。

PMP試験の概要

受験資格

PMPは、誰でもすぐに受けられる資格ではなく、プロジェクトマネジメントの実務経験と、受けるための研修を受講する必要があります。

実務経験は、学歴によって必要な時間が定められており、直近8年間で

  • 高卒・高専卒の場合:60ヶ月(5年)以上
  • 大卒の場合:36ヶ月(3年)以上

の実務経験が求められます。

研修については、PMI認定のプログラムを受講する必要があり、合計35時間分の研修を受ける必要があります。ちなみにこの研修、色々な研修機関で集合・オンライン様々な形式で受けることができますが、非常に高額で大体10万円以上かかります。

最近はUdemyとかで割安のコースもあるようです。

受験申請

申請は米国PMIサイトで申請しますが、前述の実務経験など全て英語で申請する必要があります。とはいえ、Google翻訳を駆使すればどうにかなるレベルです。

ただ、申請時にはおよそ10%の確率でAudit(監査)に該当する可能性があります。私も該当したのですが、これに該当すると、

  • 最終学歴の卒業証明書 ※英語
  • 実務経験を証明するための上司の署名

を提出する必要があります。提出はすべて電子で行えますが、卒業証明書の取得には時間もかかるので、余裕を持った対応が必要です。

無事申請が通ると、Pearson VUEのサイトから受験場所・日時を選んで支払いをすると受験できます。カメラなどの設備が必要となりますが、ここ最近は自宅でも受験できるそうです。

受験料ですが、ドルで支払う必要があり、

  • 1回目:$655(約10万円)
  • 2回目以降:$375(約6万円)

ほどかかります。PMI会員になると、年会費がかかりますが、その分受験料が割引かれます。

結局いくらかかるの?

初回受験の場合

会員 非会員
入会金 $10 -
年会費 $129 -
受験料 $405 $655
合計 $544 (84,360円) $655 (101,525円)

2回目以降

会員 非会員
受験料 $275 $375
合計 $275 (42,625円) $375 (58,125円)

()内は日本円換算(2026年3月現在:1ドル=155円 で計算)

上記に加えて、35時間の研修費用が数万円~10万円程度かかります。研修は一度受ければ、2回目以降も有効です。

それでも受験するまでにかなりのお金がかかることがわかります。よって個人ですべて捻出するのではなく、会社の研修制度などを利用して受講・受験する方が多いです。

また、初回の申し込みから1年間が受験可能期間となっており、この間受けられるのは3回までです。そこで落ちるとそこから1年後にまた初回受験扱いで始まることになるため、注意です。

ちなみに私が受けた3-4年前のドル円レートは130円~140円くらいだったので、これよりはちょっと安かったです。(それでも高いですが…)

出題形式

試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、

  • 多肢選択式(単一・複数)
  • ドラッグ&ドロップで選択するマッチング問題(用語と説明の組み合わせを選ぶみたいなやつ)

といった形式で出題されます。

試験時間は230分で、180問を解く必要があります。また、180問のうち5問は採点されないダミー問題です。

試験時間が長時間になるため、60分ごとに10分の休憩が認められています。一度休憩に入るとそれ以前の問題に戻ることは出来ません。

具体的にどういった問題が出るかについて、以前は計算問題(EV分析とか)もそれなりにあったのですが、PMBOK第7版ベースの試験に変わってからはほぼシチュエーション問題になりました。

具体的な場面が提示され

  • プロジェクトメンバーのAとBが〇〇で揉めている(コンフリクトの発生)
  • スポンサーが顧客の要望として機能追加を依頼してきた(突然のスコープ追加)
  • あるメンバーの成果物の品質が低い、しかしプロジェクトは重要な局面である(チームメンバーのパフォーマンス不良)
  • プロジェクト開始後に、強い影響力を持つ部門長がステークホルダーとして追加された。しかしその人物は現状の計画に懸念を示している。(影響力の強い新ステークホルダー登場)

といった場面であなたは次に何をするか?みたいな問題がほぼすべてといってもいいくらいでした。

いざ受験

初回の受験 - 不合格

初回の受験は、35時間の研修を受けてから2-3ヶ月後くらいに受験しました。研修中にやった模試では合格点だったので、まあいけるかなという気持ちだったのですが、不合格でした。

今振り返ると、PMBOKに照らし合わせた回答が、ほとんど出来てなかったと思います。

例えば、プロジェクトで何か問題が起こった時、普段ならどうしますか?

たぶん、ほとんどの人はまず上司にエスカレーションするのではないでしょうか。日本で働くうえで報・連・相は基本だと思います。

しかしPMBOKではそうではありません。PMBOKでは、上司の介入は 最後の手段 とされています。

PMは、まずは現状を把握し、データを分析することが最優先です。自身の権限を以て解決を試み、あらゆる手段を尽くしても解決できない、となってから上司にエスカレーションをします。

試験で問われるPMはあくまでPMBOKが規定している理想のPM像なんですよね。

実際の現場ではそうはいかないケースがほとんどです。勝手に進めると「なんで報告しないんだ!」となりますし、コンフリクトの解決は上司に丸投げしますし、ステークホルダーが「やれ」といえば「はい、何が何でもやります」となるケースがほとんどです。

そういうPMBOKイズムみたいなものをすっ飛ばして、現場感覚で回答してしまったことが、敗因であると思います。

ちなみに、CBT試験ですので結果はその場でわかります。試験問題をすべて回答して「終了」みたいなボタンを押すと画面にすぐ表示されます。うろ覚えですが

今回は残念でしたが、悲しむことはありません。また次回頑張ってください

みたいなメッセージが表示されます。

対策

問題集などをやりつつ、現場感覚を徹底的に排除し、PMBOKではこう、みたいな考え方をひたすら叩き込みました。

大変役立ったのが、PM系YouTuberのイトーダ氏のチャンネルです。

I LOVE PM / プロジェクトマネジメント専門チャンネル / イトーダ

通勤中など、スキマ時間に見ることを続けていました。おすすめは倍速再生です。

これで前述のPMBOKイズムやら、PMBOKが定めるPM像はサーバントリーダーシップ(支援型)だ、みたいな思考が完全にインプットされました。

そして合格!

問題集を買い直すこともなく、ネット上の参考問題をみつつ、イトーダ氏のYouTubeでPMBOKイズムを叩き込んだ結果、無事合格しました。

模擬試験もちゃんと受けようか迷ったのですが、情報処理技術者試験と違って過去問が何も参考にならない(そもそも公式の過去問が無い)ことや、初回と違って2回目以降は問題に慣れる意味も薄いと感じていたので見送りました。

私は過去問をやると、問題と答えが染みついてしまいその時は覚えた気になって本番でできない、というタイプなので、考え方を頭に染み込ませる方が性に合っています。

うろ覚えですが合格すると、落ちた時とは違って、

おめでとうございます!PMとしての一歩を踏み出しました

みたいなメッセージが表示されます。

そんなこんなで、初回の受験時と合格時の結果を貼っておきます。

  • 初回の結果

  • 合格時の結果

Need ImprovementとBelow Targetまでが不合格ラインで、TargetとAbove Targetが合格ラインです。右に行くほどスコアが高くなります。 まさに地獄から一気に天国に登った感覚です。

さいごに

PMPはIT業界だけの資格ではなく、「目標に向かって人と計画を動かす」あらゆる場面で活きる資格だと感じました。

プロジェクトの定義とは

特定の目的を達成するために、期限(納期)と予算を定めて取り組む、独自性のある一連の業務計画

となっています。つまり

  • 明確な目的がある
  • 期限が決まっている
  • 独自性がある(未知の要素が含まれる)
  • チームで実行する

これに該当するものはすべて「プロジェクト」です。プロジェクトは、目的・期限・独自性・チームでの実行がそろった活動です。この観点で見ると、仕事だけでなくイベント企画や旅行計画、そしてFF14の固定活動すらも立派なプロジェクトだと言えます。

たとえばFF14の固定活動なら、

  • 目的:零式や絶のクリア
  • 期限:〇週目標、〇.〇パッチまで
  • 独自性:新コンテンツへの挑戦
  • チーム:8人での攻略

と、要件にきれいに当てはまるのではないでしょうか。

固定活動をやっていると、ギミックの処理法や人柄の合う・合わないを巡ってコンフリクトは頻繁に起こりますし、予定がなかなか決まらなかったり急な変更が発生したり、メンバーのパフォーマンスで攻略が進まないなど、現実のプロジェクトと同じように様々な問題にぶち当たると思います。

そういった場面で、メンバーの士気を落とさず、リスクをコントロールしながら、目標の達成に向けてメンバーを導いていくのは、PMPの本質となんだか似ているなあと感じました。ただ、じゃあPMPホルダーが固定主をやったら固定運営は上手く行くのか?と言ったら恐らくそうでは無いと思います。現実はそう上手くはいきません。

今回の受験を通して、PMPは「資格を取ること」そのものより、こんな時どうする?といった日々の意思決定であったり、チーム運営の質を上げるための実践知だと実感しました。

そんなこんなで、せっかく取った資格ですし、有効期限を切らさないように頑張って更新していこうと思います。